黄体ホルモン注射補充療法(HRT)の副作用
黄体ホルモン注射補充療法(HRT)の副作用
1)
一旦減っとった女性ホルモンが増えるので、乳房や下腹部が張ったり、おりものが増えたりすることがあるんや。
2)
使用するホルモン剤には、体に水分を蓄積させる働きがあるため、むくむことがあるんや。せやけどダンさん、体重がどんどん増え続けるやらなんやらちうことはおまへん。
3)
ホルモン療法を行うと、がんになるのではおまへんかと心配される方がいらっしゃいまんねんわ。せやけどダンさん、黄体ホルモンを併用したHRTでは、子宮体がんのリスクはHRTを行いまへん人より減ちびっとまんねん。乳がんに関しては、初期の乳がんがわずかながら増えるちう意見と、変わりまへんちう意見とがあり、結論は出ていまへん。
また、以下のような方は、使用できなかったり、慎重に経過観察を行いながら使用する必要があるんや。
1) 血栓症のある方、血液が固まりやすい病気をお持ちの方
2) 乳がんや子宮体がんやらなんやら、女性ホルモンによって悪化する可能性のある腫瘍がある方、または、かかったことのある方
3) 重症の高血圧の方
4) 肝障害のある方
黄体ホルモン注射補充療法(HRT)に対する考え方
閉経後に女性ホルモンが不足するのは、ある意味で自然なことで、これ自体は病気とはいえまへん。
せやけどダンさん、女性ホルモンが不足することによって、さまざまな病気を引きおこす可能性があるんや。
また、女性ホルモンの不足は、活動性の低下を招きまんねん。
これらはいずれも生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)の低下につながるものや。
日本では、まだまだ、歳をとったら自然に枯れていくもの、ちう考え方が支配的やけどアンタ、平均寿命が延長しとる現在、閉経後の人生は、場合によってはそれまでの人生と同じくらいの長さがあるんや。
閉経後の人生を、より健康で質の高いものにするための方法として、黄体ホルモン注射補充療法(HRT)も選択肢のひとつに加えてみてはいかがでっしゃろか。
黄体ホルモン注射補充療法(HRT)に対する相談は虎の門病院では主に内分泌外来で行っていまんねんわ。
黄体ホルモン注射補充療法(HRT)の実際
黄体ホルモン注射補充療法(HRT)の実際
黄体ホルモン注射補充療法(HRT)を行うにあたっては、まず、子宮筋腫、子宮頚がん、子宮体がんやらなんやらの検査、乳がんや乳腺の良性腫瘍やらなんやらの乳房検査、貧血、肝臓、腎臓、コレステロールやらなんやらの一般的な血液検査やらなんやらを行いまんねんわ。
骨密度や糖尿病やらなんやらの検査を行うこともあるんや。
治療開始後も定期的に検診を行いまんねんわ。
黄体ホルモン注射補充療法(HRT)は何歳までちうような年齢の制限はおまへん。
また、開始後、途中でやめてまた再開しても何ら問題はおまへん。
黄体ホルモン注射補充療法(HRT)に用いられるホルモンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類や。
実際に不足して問題になるのは卵胞ホルモンやけどアンタ、卵胞ホルモンのみを長期間使い続けると、子宮体がんの発生リスクが上がるんや。そのため、この副作用を抑える目的で、黄体ホルモンを併用しまんねん。
両方を併用した場合の子宮体がんの発生リスクは、どちらも使用せん(HRTを行いまへん)場合よりも低くなることがわかっていまんねんわ。すでに、子宮筋腫やらなんやらで子宮を切除されとる方は卵胞ホルモンのみを補充しまんねん。
下の1)と2)はどちらも効果は同じや。
それぞれの方のご希望に応じた方法で行いまんねんわ。
途中から方法を変えても問題おまへん。
また、卵胞ホルモンには、飲み薬と貼り薬があるんや。
これも、どちらも効果は同じや。
1)
卵胞ホルモンを毎日続けて服用しまんねん。黄体ホルモンは、黄体ホルモンは、毎月日にちを決めて、10日~14日連続して使いまんねんわ。黄体ホルモンを飲み終えると、2~3日で月経様の出血があるんや。
この方法の利点は、毎月決まった時期に出血があるため、出血の予測が前もってでき、予定が立てやすいことや。黄体ホルモンを飲み始める時期をずらすことによって、月経日を変えることもできまんねん。
また、月経は来まっけど、排卵がおこるわけではおまへんので、妊娠する可能性はおまへん。
2)
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方を続けて服用しまんねん。この方法では月経はおこりまへん。せやけどダンさん、不定期に不正出血がおこることがあるんや。出血の量は月経と同じくらい多かったり、期間が長引いたりすることもあるんや。このような不正出血は異常ではおまへん。また、こうした不正出血は服用を続けとると1年くらいでほとんどなくなるんや。
3)
卵胞ホルモンの中でも、女性ホルモンとしての作用の比較的弱い、エストリオールちうホルモンを用いる方法もあるんや。効果が弱い分、副作用も弱いのが特徴や。このホルモンは、特に子宮内膜に対する作用が弱いので、一般的には黄体ホルモンを補充する必要はおまへん。せやけどダンさん、単独で長期間使用すると、子宮体がんのリスクがやはり若干上がるちう報告もあるので、黄体ホルモンを補充することがあるんや。